こんにちは。
奈良のヨガ教室ウーシア 主宰のAyanoです。
「ヨガ=柔らかいポーズをとること」そう思っていませんか?それは大きな間違いです。
ヨガ哲学を知らずにヨガをするということは、それは単なるストレッチと同じで、ただ運動をしているにすぎません。
「本当のヨーガとは?」が分かるヨガ哲学を、入門の方に向けて、3回に分けてお伝えしていこうと思います。
●ヨーガスートラ第1章はこちら
●ヨーガスートラ 第2~4章はこちら
ヨガ哲学を学んで瞑想を深めると、
過去や、未来に不安を感じて落ちつかない気持ちが、「今、ここの自分」に向き合えるようになるので、感情に振り回されてしんどくなることが格段と減ります。
しかしそれは、読むだけで一瞬にして変わる魔法ではなく、瞑想や、ポーズや毎日の生活を通して、自分を冷静に見れるように変わるからです。
人間関係がうまくいかない、すぐカッとなる。生き辛い。そんな方にこそ、ヨガ哲学とヨガ実践は必要とされるのではないでしょうか。
ヨガ哲学から考察する「本当のヨガ」とは?
唐突ですが、仏教の開祖である釈迦もヨガを学んでいたということをあなたはご存知でしたか?ヨガには広く知られていない歴史や哲学が存在しています。
そして、ヨガという言葉の本当の意味は「心の科学」です。
ヨガ=ポーズではありません。
リラックス、柔軟性がUPする。それらはヨガの1部分でしかないのです。
ヨガ=瞑想
瞑想からの気づきによって、「自分の幸せ」「自分自身とは」を発見させてくれるものです。
しかし3500万人とも言われる世界的ヨガ人口の中でも、本当のヨガを知っている人は半分以下ともいわれ、ファッション感覚で捉えている人も少なくないでしょう。
もちろん、ファッションやエクササイズでヨガを捉えていることが悪いことではなく、「それだけだと、もったいない!」そんな感覚でしょうか。
ただ単に、美しいポーズだけを目指すヨギーニとは一線を描き、本当のヨーガを楽しみませんか?
そのためにも何千年も前から伝わるヨガの歴史や意味を掘り下げて理解していきましょう。
yoga(ヨーガ)という言葉の意味
ヨガとはサンスクリット語の「Yuj」ユジュ(牛や馬と車をつなぐ軛)に由来し、漢訳は瑜伽(ゆが)と読み、ヨーガともと呼ばれます。
ヨーガとは、「結ぶ」「調和」「くびきを付ける」などの意味があります。
自分と大いなる存在(自然や大地、宇宙など)と繋がること。
「真の自己と出会うことがヨーガの最終目的とされ、ただひたすらに対象に心を向け、その状態を何にも妨げられることなく維持することがヨーガ」と言われています。
次は、ヨガ哲学のおかげで「死より、生きる道を選んだ」私の実体験を話していこうと思います。
ヨガ哲学と私
10年以上前、私はひどいストレスから体調を崩し、出口の見えない暗いトンネルの中で息苦しく,もがいていました。
今振り返ると、無意識に「生きる喜びや意味」を探しに心の科学を求めてヨーガの境地に足を踏み入れたように思います。生き辛かった、あの頃の私を救ってくれたのはこのヨガ哲学です。
それはヨガ哲学を学んだ時、
4500年以上も前に生きていた人達も「生きる意味や幸せになる方法を探していたのか…」と思うと、
「どうすれば幸せになれるのか?」を
探し続けているのは自分だけじゃない!
何千年もの時空を超えて、
国を超えて、
過去に存在していた人たちと
今の自分が共有している事実。
悩んでいたのは私だけじゃなかった!
「独りぼっちじゃない」と安心こと。
それを感じて、前を向く事ができたのです。
後に、作家 司馬遼太郎が唯一、子供に向けて書いた本の一文に同様のことが書かれていました。
私は歴史が好きなのである。歴史とは何でしょう、と聞かれるとき、「それは大きな世界です。かつて存在した何億という人生がそこに詰め込まれている世界なのです。」と答えることにしている。そこには、この世では求めがたいほどにすばらしい人たちがいて、私の日常をはげましたり、なぐさめたりしてくれているのである。
だから、私は少なくとも二千年以上の時間の中を、生きているようなものだと思っている。
「二十一世紀に生きる君たちへ」(発行 世界文化社)
ヨガの、最高レベルの目的はこう記されています。
ヨーガ実修の最高段階は「心の作用を止滅させ、悟りをひらいて何事にも無執着である完全なる自由の達成」
そのような釈迦のような、悟りをひらく境地には、私はとうてい達していません。まだまだ凡人です。一切、何事にも執着しない生き方は難しいと感じます。
ただ私は、見たこともない、4000年前に存在した人たちが語りかけてくれるヨガ哲学のおかげで、自らの命を断つことより生きる道を選べたこと。
そして、心の在り方をヨガで学んだことで、穏やかで幸せな毎日をすごせるようになり、何にも代えがたい宝物となりました。
幸せとは、自分で感情をコントロールするだけで得れるものなので、薬もお金もいりません!今すぐ誰でも実践はできるのです。あなたもです。
幸せとは?の答えは、私たちの中にすでに存在しています。見えていないだけなのです。そこに光を当てて「気づかせてくれる」のヨガ哲学の教えだと私は思っています。
そのような奥深いヨガ哲学は、どこでいつ作られたものなのでしょうか?次はヨガの起源を探りたいと思います。
4000年前の歴史からヨガ哲学を読み取っていきましょう。
ヨガの起源
- 紀元前2500年頃
インド地方のインダス文明に起源があるとあるとされ、都市遺跡モヘンジョ・ダロから「ヨーガの坐」といわれる坐法を組んで瞑想する神像が記された出土品が発見されたことから、当時から何らかの修行法が存在し、これがヨガの原型ではないかといわれている。 - 紀元前1500年頃
バラモン教を信仰していたアーリア人がインドに南下しヨガを発展させた。 - 紀元前1000年頃
ヴェーダ聖典(宗教的書物)を編纂。
その中にヨガに通じる哲学や考え方の記載があったとも言われている。 - 紀元前800年~500年
サンスクリットで書かれた一連の書物「ウパニシャッド(奥義書)が、ヨーガという語が確認される最も古い書物。
より哲学的な内容を含む ウパニシャッドは「ヴェーダーンタ」とも呼ばれ、ヴェーダ哲学の中心となっている。 - 紀元前300~350年頃
中期のカタ・ウパニシャッドには、『器官の確かな制御がヨーガである』というヨーガの最古の説明が記されていることから、この頃から社会的にヨガが修行法として確立され、認知されていたと言われている。 - 4~5世紀頃「バガヴァッドギーター」を含む叙事詩(民族や英雄の神話)マハーバーラタが成立したと言われており、また同時期に、インドの哲学者パタンジャリによって、ヨガの根本経典として4章からなるヨガの古文書、「ヨーガ・スートラ」が編纂。
- スートラとは「糸」という意味で、紡がれた物語ということ。
ヨガの全容を示してくれているヨガスートラは、ヨーガの初歩から高度な段階に至るまで網羅された、私たちの生きる精神の道を照らし出す生きた聖典とも言えるでしょう。
ヨガ起源の3つのすごいところ
1つ目は、今から4500年ぐらい前(日本は縄文時代)に、すでにヨガが存在し、何らかの修行がなされていたこと。
2つ目は、3000年ほど前に「心をコントロールして、執着を捨て、真の生きる意味を指し示す心の科学」に通ずる哲学が存在していたこと。
3つ目は、2018年の今を生きる私たちがこの哲学を知り、実践することで(現代風に少しは柔軟に)生きる意味を見いだせるバイブルとして未だに風化していないこと。
幸せの処方箋「ヨガ哲学とは?」まとめ
瑜伽(ゆが)ヨーガとは、呼吸を調整し、瞑想とアーサナ(ポーズ)で心身を鍛錬によって制御し、自らの心を自在にコントロールするためにあみだされた古代インド発祥の修行法。
人間の「生」の全てを考慮するもので、その哲学は科学的である。
瞑想が深まり、呼吸や心の働きが鎮まると、体の中に深い「静寂」が訪れます。
この平静に満たされた至福の状態こそが三昧(悟り)であり、私たちの生命の本質部分であるとヨガ哲学では説かれています。
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難しくて、わからない!
と思われた方へ要約(主観による解説)
●瞑想で、「何にも振り回されない心の落ち着き(静寂)」を得ることがヨガ
ヨガ=ポーズではありません。
瞑想する時に、痛みなく座るための予備運動としてポーズがあるのですから、硬くてポーズが取れなくても、座ることができれば誰でもヨーガを深めることはできるのです。
●ヨーガの意味は、「結ぶ」「つながる」
自分と自然や大地、人々と繋がり調和すること。
「真の自己と出会うことがヨーガの最終目的とされ、ただひたすらに対象に心を向け、その状態を何にも妨げられることなく維持することがヨーガ」と言われています。
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難しい!と思われた方へもっと要約。
あなたが幸せを感じるときは、特に悩みごとや心配ごとがない時ではないでしょうか?
悩みが解決された時、ホッと幸せを感じませんか?それは、「どうしよう!不安!怖い!」などの感情から解放され、安心したからです。
ということは、「悩み事」があなたを苦しめているのではなく(問題ではなく)
不安。許せない!怖い。バカにされてる気がする。などのあなたの思考(感情)があなたを苦しめているということです。
周りの状況や問題に感情が振り回されて、あなたの神経は疲れるのです。
身体も緊張してしんどくなるのです。
※それがダメなことではありません。そこから抜け出したい場合はどうするか?を書いています。
あなたの思考は、あなたの持ちものですから、目の前の問題を「不幸」ととるのか、「学び」ととるのか、「幸せ」ととるのか、受け取り方をあなたが自由自在に変えることはできます!
ヨガの瞑想では、これらの感情をジャッジすることなく、冷静に自分を観察する練習をしていきます。
- 自分の問題を、他人は解決できない。
- ムカつく人を、変えることもできない。
人は、その人の人生を生きているから当然です。
あなたを幸せにできるのは、あなたです!
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嫌なことをやめて、(嫌な環境から離れて)心が高ぶることに意識を向けましょう。
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何が嫌で、何に心が踊るのか?癒されるのか?自分の心の声をきき、人目を気にするより、自分の内側をみる機会を増やす。
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これがヨーガと瞑想の第一歩
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自分に余裕ができたら、人も大切にする
※三昧(悟りの境地)にする目的の場合は、もっと多くの修練段階があります。ここでは、日常で役立つ内観の第一歩を説明しています。
もし、どんな問題が起こっても、あたふたせず「どっしり安定している気持ち」や「静寂(落ち着き)の感情のままでいれたら、それは幸せなことではありませんか?
周りに振り回されない安定した自分軸の心を手にすることは、人生を豊かにしてくれるのです。
その境地をヨーガでは至福の時とされ、目標としています。
では、どのような段階をたどれば、静寂の三昧(悟り)へと到達できるか?を具体的にさし示してくれてる、4章からなるヨガの経典「ヨーガ・スートラ」については次回解説していきます。お楽しみに。
●ヨーガスートラ第1章「瞑想」はこちら
●ヨーガスートラ 第2~4「具体的な方法」はこちら
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